5 月 15 日から 6 月 14 日の期間において第 70 回日本医学検査学会が Web 開催されました。今回の学会のメ インテーマは「What to do in the future~臨床検査の深化と進化(Deepen&Evolution)」と掲げられ、臨床検査技師の未来には何があるのか、そのためには今、何をすべきかを考えさせられる学会となりました。Web開催はオンデマンドによる配信のため、ほとんどのプログラムが期間中であればいつでも視聴可能となっていました。
さらに、各オンデマンド配信にはグッドボタンを押すことができ、一目で人気のプログラムが分かるという現代のSNSを彷彿とさせるシステムが導入されていました。そして、各発表演題には Q&A が設けられ、 演者との意見交換が可能となっていました。
そして、今回のWeb開催のきっかけとなった新型コロナウイルス感染症に関しては、COVID-19の分野としてシンポジウム・一般演題ともに多くの発表がされていました。COVID-19に対するPCR検査の運用方法が提示されたり、各社が発売した SARS-CoV-2の抗原・抗体検査試薬の検証が行われたりしていました。今後はSARS-CoV-2に対するワクチンの効果判定として、抗体検査の有用性が示されていくことが考えられます。企業展示に関しても各社Webで機器の説明動画を公開したり、バーチャルブースを用いて見やすく説明したり、 メーカーそれぞれの個性が感じられました。
私は5年前に開催された第 65 回日本医学検査学会も広報部として取材させていただきました。当時の日本医学検査学会は神戸で開催され、会場近くではアニメのイベントも行われており、人がとにかく多く、その土地全体として盛り上がっていたことを覚えています。まさか5年後の全国学会が会場の広さも人の多さも実感することのできない学会になるとは思っていませんでした。しかし、Web開催だからこそ、期間内であればいつでもどこでも学会を視聴することができると思いますし、演者や講演者には Q&A を通じて質問をすることもできます。その時代に応じて学会も変化していくものなのだなと感じました。
5年後の学会は、仮想空間に会場が設けられたりするかもしれません。そんなまさか!?と思いますか?でも、5年前にはWeb で学会が開催されることも、まさか!?と思っていましたからね。今後もまさかと思うような時代の変化に順応した学会になれば良いなと感じました。
(広報部 村田竜也)